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研究室紹介

富山短期大学|富山短期大学 食物栄養学科 原田研究室

富山短期大学 食物栄養学科
給食経営管理 調理学
教授/学科長 原田 澄子

私の研究室では「少量調理から大量調理へ実践の科学」「食育」についての研究を行っています。

研究テーマの背景
 食物栄養学科は、栄養士の養成を目的としています。
 栄養士は対人業務であり、正しい情報の伝達が求められます。栄養士資格取得の単位の一つに調理学と給食管理があります。調理学では基礎的理論と実際の調理操作中に生じるさまざまな現象を一体化させて、実践的に役立つ少量調理を体験し、給食管理では食事計画に基づいて作成された献立を、施設・設備、時間、調理担当者の技術・人数など、限られた調理条件のなかでの大量調理を経験します。

 給食施設の栄養士として仕事に従事したときには、給食の調理指導が出来なければなりません。実際の調理現場において再現性、普遍性のあるよい調理品を得るには、調理の基本的研究が重要と考えます。衛生的に安全でおいしく、食事として満足できる料理を提供すること、即ち栄養士が作る給食の食事は「おいしい」と評価されることが栄養士には求められています。

研究テーマの目的
 再現性、普遍性のある調理品を得るには、調理によって生じるいろいろな問題点を実験的に確かめ、科学的に捉えることが必要です。調理によって生じるいろいろな制約と問題点を解決していくことが「実践の科学」と考えます。

 また、私たちの食生活は、貧しさから豊かさへ、和風から洋風へ、家庭料理から加工食品へと大きく変化しています。食事のリズムの乱れ、欠食、孤食といった食事のとり方の乱れが目立ちます。食事への意識が多様化している飽食の時代であるからこそ「食」のあり方を考え直したいと思っています。

 
以上のことから「作るための実践の科学」「食べること」を研究テーマとしています。

最近の研究成果と結果
1.スチームコンベクションオーブンの活用に関する一考察
 給食施設の加熱調理機器として近年広く活用されてきているスチームコンベクションオーブンは、オーブンにスチームが組み込まれ、それぞれの単機能と同時併用機能を備えています。上手に使いこなすための基礎的研究として以下の実験を行いました。

 (1) 加熱中の食品の内部温度の測定とその食味の検討
 (2) ハンバーグの効果的な加熱方法の検討
 (3) 蒸しパンの効果的な過熱方法の検討

 (1)?(3)より、オーブンにスチームを加えたコンビモードでは設定温度に達するまでの温度上昇速度は、スチーム量の増加に伴い小さくなるが、食品の内部温度上昇速度はスチームなしより大きいという結果が出ました。このことから、食品の水分蒸発が小さく、加熱時間が短縮されると考えられます。
 ハンバーグでは、スチームとオーブン比率5:5が外観、食味において好まれました。
 蒸しパンでは、スチーム量の少ない方がよく膨らみ、スチームとオーブン比率1:9が好ましい結果となりました。

2.真空調理法活用における一考察
 真空調理法では食材を真空包装することにより食品内の空気が抜け、変わりに調味料が素材に浸透し、熱の伝導性がよくなり、低温加熱で調理することが出来ます。
 真空調理法のメリットとして、次の点が挙げられます。

 (1) 素材本来の風味やうまみが保たれる。
 (2) ビタミンの破壊が少ない。
 (3) 加熱中の水分蒸発が殆どない。
 (4) 調味料が少量でよい。
 (5) 味のしみこみが均一である。
 (6) 軟らかくジューシーに仕上がる。
 (7) 衛生的に安全性が高い。

 豚肉を真空包装し、スチームコンベクションオーブンのスチーム機能を使い、庫内温度を75℃、85℃、95℃で加熱する実験を行ったところ、85℃、95℃では加熱時間が長くなるにつれ肉質が柔らかくほぐれ易いという結果が出ました。庫内温度が高い方が僅かに重量、面積が減少していました。

3.短大生の食事の摂取状況
 ライフステージの中で最も健康度が高い時期である大学生は、生活習慣や食習慣に問題点が多いことが報告されています。実際に短大生に食事調査を行った結果、エネルギー摂取量は、平均1507kcalと少なく、短大生に必要なエネルギー量を摂取していない者が76.9%も認められました。栄養素では、若い女性に必要な鉄やビタミンB、食物繊維の摂取量が少ないという結果でした。BMIは、18.5未満のやせの者の割合が23.1%と高い結果でした。

 


卒業研究発表会の様子                         スチームコンベクションオーブン利用の様子  

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